地域と共に歩む「八日市北小学校」の取組

滋賀県の南東部に位置し、三重県とも隣接する「東近江市」。西側には「琵琶湖」と隣接し自然豊かな同市は、「八日市」駅を中心として市街地を形成してきた。今回はそんな八日市エリアで、「八日市」駅の北東に位置している「東近江市立八日市北小学校」に、学校の歴史や取組について伺いました。

――学校の歴史や、教育目標について教えてください。

1958(昭和33)年9月30日に、八日市市学校統合計画により八日市立八日市北小学校の設置が認可され、八日市北小学校が誕生しました。そして、同年11月12日には 八日市建部日吉町石地468番地の新校地で新校舎が起工されています。

2018(平成30)年には創立60周年を迎え、現在(2022年3月時点)開校63年の学校です。2020(令和2)年には、増設棟が建設され活用できる教室が増え、2021(令和3)年には、運動場が芝生になっています。

(Photo_01)一面に芝生が広がる運動場

教育目標には、「自分の力を高め、これからの社会に活きる自立した人づくり」を掲げています。また、めざす子ども像として、「えがおいっぱい かけ声いっぱい やる気いっぱい 北小の子」とし、自分に自信をもち笑顔いっぱいでがんばれる子、思いやりのかけ声にあふれ、どの子にも居場所のある集団作りを目指しています。

――学校活動では、どのような分野に力を入れていますか。

特に自己肯定感の醸成に力を入れています。具体的には、毎学期「ありがとう週間」等、自分や友だちの良さに気付く取組を全校で行い、自分の強みを見つけるとともに、相手の良さに気付ける機会を設定することで、自己肯定感を高め、互いを認め合える集団作りを目指しています。この基盤が作られることで、子どもたちは、安心して学習に臨め、挑戦もできると考えています。

(Photo_02)「東近江市立八日市北小学校」外観

――授業の方法や指導については、どういった個所を大事にされていますか?

どの子もわかる授業づくりを目指して、東近江市が推奨している「め・じ・と・ま・ふ」(めあての共有、自分で考える時間、学びを深める交流、まとめ、振り返り)を授業形態に取り入れた「北小スタイル」の授業を行っています。

(Photo_03)掲示物が並ぶ廊下の様子

特に、自分で考えをもつこと、友だちと意見交流をした後で自分の考えがどう変化したかを考える振り返りの時間を大切にしています。

――SDGsにかかわる取組内容について、教えてください。

5年生が社会科の学習で産業について学ぶ中で、「SDGs」についてみんなに伝えたいという思いが膨らみました。そこで興味をもった児童がSDGsについて学習し「助け合いが世界の発展につながる・一人ひとりの心がけが世界を救う」という気持ちを込めて、自分たちにできることを考え「SDGsのまど」というリーフレットを作成しました。

(Photo_04)社会科の学習から生まれた、「SDGsのまど」

――地域の方々との交流、連携して実施されている活動があれば聞かせてください。

スクールガードのみなさんや保護者の方々には、登下校の見守りやマラソン練習時のコースの見守り等で助けていただいています。また、地域からの寄贈により児童用図書の購入等をさせていただいています。例年ですと読書ボランティアの方に読み聞かせをしていただいているところですが、感染症対策のため昨年度と今年度は実施できませんでした。

――進級先の中学校や近隣の保育所、幼稚園などとの連携について教えてください。

東近江市では幼小中連携事業を行っており、就学先との円滑な接続ができるよう、幼小連携ではアプローチカリキュラム、小中連携ではスタートカリキュラムを作成し、連携内容について共通理解をして共通実践を行っています。また、就学先中学校が同じ小学校間でも、共通実践ポイントを作成し、小小連携も行っています。

本校でも、就学先の中学校や近隣の園と連携し、子どもたちのスムーズな就学に努めています。具体的には、3学期に、中学校の生徒会の皆さんが来校して6年生に向けて話をする機会や、中学校の先生が英語の授業をする機会を設定し、6年生に中学校生活がイメージできるようにしています。

(Photo_05)「東近江市立八日市北小学校」体育館の様子

また、今年度は感染症拡大のため実施できませんでしたが、例年2月には1日入学を実施し、就学前の子どもたちが入学を楽しみにできるよう、1年生が主体となって小学校生活の楽しさを伝える機会を設定しています。

――今後取り組んでいきたい活動はありますか。

現在進めている子どもの自己肯定感を高め、互いに認め合える集団作りを継続し、これからの社会に活きる力の基盤づくりを大切にしていきたいと思っています。

(Photo_06)授業でのタブレット活用も進む

また、一人一台タブレットを有効に活用し、効果的な学習方法を模索するとともに、子どもたちが今以上に主体的に活動できる取組の工夫もしていきたいと考えています。

  • ※掲載のインタビュー内容は、2022年3月に取材・撮影したものです。