長泉町役場のお二方にお話を聞きました!
活気あふれるバランスに優れた“ちょうどいい”街
長泉町の取り組みとは

静岡県東部で伊豆半島の付け根に位置する長泉町は、都心へほどよく行ける便利なアクセス性と身近に自然を感じられる環境を併せ持ち、豊かな財政基盤にも支えられて近年も着実に発展を続けている注目のエリア。そんな長泉町のまちづくりについて長泉町役場企画財政課長の浅倉さんと企画財政課企画調整チーム副主幹の長澤さんからお話を伺いました。

(Photo_01)長泉町企画財政課にインタビュー
長泉町 企画財政課 朝倉充さん(写真右)、長澤佳祐さん(写真左)

――まずは長泉町の概要を教えてください。

浅倉さん:長泉町は、かつてサツマイモなどを主な農産物とする農業中心の町でした。水資源に恵まれていることもあり、昭和30年代になると企業誘致による工業化が進み、町外からの移住者が増えてきたんですね。早くから企業誘致活動に取り組み、交通の利便性を活かした町づくりを進めた結果、転入者が増加し、 特に若い世代の転入者が増えることで出生数が上昇し、人口増につながりました。(静岡県が発表した2040年(平成52年)の将来推計人口でも、県内では長泉町だけが人口増となる等、今後も人口増が見込まれている。)そこでいかに移住者を地域に溶け込ませるかという課題に対し、町内運動会といったスポーツをきかっけに交流に取り組んだそうです。昭和40年代後半には、県内の他地域に先駆けて子育て支援策にも取り組んでいます。

長澤さん:このような昔からの取り組みが功を奏して小さな町ですが、いまではスポーツが盛んで子育てのしやすい町というイメージが定着しています。

(Photo_02)長泉町 企画財政課 朝倉充さん

浅倉さん:1966年(昭和44)年に東海道新幹線の三島駅が開通し、都心へ1時間弱で通えるようになると長泉町から通う方もさらに多くなりました。コロナ禍前の国勢調査では毎日約1000人が県外へ通っているという結果が出ています。

――これからの街づくりの取り組みについてハード面から教えてください。

浅倉さん:長泉町はかなり前からコンパクトシティを意識した街づくりを行なっています。例えばアリーナや温水プールのある「ウェルピアながいずみ」や中央グランドを備えた「長泉町健康公園」。健康づくりの拠点施設ですが、町の中心部といえる場所にあり、子どもから年配の方まで幅広く利用されています。外周はウォーキングコースになっていて、とくに夕方や休日の朝などは大勢が訪れます。2017(平成29)年には、ショッピングが楽しめる複合施設「フレスポ長泉」がオープンしました。こども交流センター「パルながいずみ」があり、子育て支援の拠点施設として非常に好評をいただいています。(※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、利用制限しています。詳しくは各ホームページにてご確認ください。)

  • (Photo_03)長泉町健康公園
  • (Photo_04)フレスポ長泉内にあるパルながいずみ

長澤さん:都市計画道路も着実に進んでいます。長泉町と三島市を結ぶ池田柊線の整備が進んでおり、町の北部方面からも三島駅まで15分ほどで行けるようになります。また、その南側にあたる沼津三島線も整備が行われていて、どちらも今年度中に完成する予定です。完成した都市計画道路同士をつなぐ事業も現在進行中で、縦と横のラインをつなぐことでさらに利便性が高まります。

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(Photo_05)まちの道路状況

――ソフト面についてはどうでしょうか。

浅倉さん:「ちょうどいいが いちばんいいNagaizumi」のブランドシンボルが2017(平成29)年にできあがりました。これは「町民の想いを形にしていきたい」という町長の提案でワークショップが開かれ、町民たちの言葉を形にしたものです。いまは状況的にイベント実施が難しいですが、2019(令和1)年には、町長がバスガイドを務めて町内の企業や施設、観光名所を回る「町の魅力実感バスツアー」を行いました。すぐ定員に達し、非常に好評だった企画です。状況が落ち着いたらにぎわいを醸成するイベント企画もまたスタートしていきたいですね。また、現在は新型コロナウィルスの影響で在宅でのテレワークや町内で活動する方が増えている印象があります。そこで2020(令和2)年度には、起業に対する補助金の創設、起業セミナーなども実施しています。

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(Photo_06)ブランドロゴマークとステートメント

――2021年度から5年間のまちづくりの指針となる、第5次長泉町総合計画について教えてください。

浅倉:基本構想として目指すまちの姿に「みんなでつくる 輝きつづける“ちょうどいい”まち」を掲げ、「優しく育む 豊かで安心な ながいずみ」の優・育・豊・安の4つのワードを基本目標にしています。ベースにあるのは、いま長泉町に住んでいる方たちの満足度を上げたいという考えですね。

長澤さん:「豊」の部分にあたるのが、インフラ整備や都市環境整備です。いま着手しているものには鮎壺公園の整備があります。前期の中心的なプロジェクトで、2024(令和6)年完成予定です。

(Photo_07)町民との情報共有を推進しながら持続可能な街づくりを目指す

浅倉さん:鮎壺公園は車検場の跡地を活用した公園で、すぐそばに伊豆半島ユネスコ世界ジオパークのジオサイト「鮎壺の滝」があります。芝生広場や一部商業施設を入れる予定もあり、多くの方が遊んだり、交流できたりする場を目指しています。併せて下土狩駅周辺の整備も行っています。そのほか、パークゴルフ場の整備も大きなプロジェクトです。公認コースのほか、子ども用コースも作られる予定で、世代交流できる健康づくりの場として2022(令和4)年度オープンを予定しています。

(Photo_08)鮎壺公園完成予想パース

  • (Photo_09)鮎壺公園完成予想パース
  • (Photo_10)パークゴルフ場の完成予想パース

――人口や今後の予定など、街の未来像について教えてください。

長澤さん:長泉町の人口は、現在43,542名(2021年5月1日現在/10年前は41,502名)。県内で数少ない人口が増えている町です。

浅倉さん:今後も人口の増加が見込まれています。第4次総合計画では、小学校校舎の増築も行われています。若者が多く、転入者から「子どもが多い」と聞くこともよくありますね。先述した目指すまちの姿に「輝きつづける」との言葉がありますが、人口が増えて地価公示も上がり、町としてはいま良いサイクルができている。ゆえに「輝きつづける」は良い言葉だと思う反面、我々としてはプレッシャーも感じます(笑)。

長澤さん:その中で課題のひとつに挙がっているのが、公共交通の拡充です。公共交通を具体的にいえば、町が運営主体となるコミュニティバスですね。現在は1台のバスが一つのルートをずっと回っていて縦の移動に特化しています。そこでバスの台数を増やしたり、ルートを増やしたりと、再編を検討しています。また、75歳以上の高齢者には現在5,000円以上のタクシーチケットを配布していますが、将来はチケットではなくマイナンバーカードに登録することで日常の移動に関する支援が大幅に拡充されていくような制度も考えています。

(Photo_11)企画財政課の長澤さん

――長泉町のアクセス性、立地に関してはいかがですか。

浅倉さん:町長の言葉を借りると、「長泉町は転職しなくても移住できる町」なんです。すぐそばにある三島駅は新幹線が利用でき、東京駅まで約45分と都心が通勤圏内です。町内に新東名高速道路の長泉沼津I Cがあり、東名高速道路の沼津I Cも近い。伊豆縦貫道や国道246号もあり、カーアクセスにも恵まれたハブシティともいえます。移住や定住といえば堅苦しい感じがしますが、仕事環境を変えずにポンッと引っ越しだけできる、そんな場所が長泉町です。

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(Photo_12)新幹線、ICの2大交通拠点が揃う

――「長泉町」の魅力ポイントを教えてください。

浅倉さん:やはり伊豆、箱根、海、都心部など、どこへ行くにもアクセスがいいこと、都市的なところと自然がちょうどいいバランスであること。これらが魅力ではないでしょうか。コンパクトな町なので、自然豊かな場所へも15〜20分程度で出掛けられます。

長澤さん:町の北部は自然が溢れていて、近所の川で魚釣りや山菜取りができる。ホタルも見られます。高速バスのバス停もあって、渋谷や新宿へも気軽に行けます。最近も移住・定住の相談で高速バスを使いたいという方がいました。テレワークが浸透して毎日通勤することもないため、必要なときに高速バスが使える北部に住みたいとの要望も出てきていますね。

浅倉さん:そのほか2020(令和2)年に「子ども・子育て総合相談窓口」として、お子さんの発育からしつけ、教育のことまで一つの窓口で相談できる部署ができました。このような取り組みをしているのも長泉町の魅力の一つだと思います。

――注目スポットも教えてください。

浅倉さん:キャンプやBBQが楽しめる桃沢野外活動センターはおすすめです。2020(令和2)年にリニューアルオープンしましたが、コテージがモダンな建物でスクエアテントもおしゃれな雰囲気。非常に人気のあるスポットです。

(Photo_13)桃沢野外活動センターのコテージ

――長泉町に住まわれる方へ一言お願いします。

浅倉さん:いまは価値観やライフスタイルが多様化している時代です。私たち行政もそこに合わせて柔軟な施策で暮らしやすい町を実現していきたいと思っています。

長澤さん:長泉町の特長を一言でいえば、行政と住民の距離が近い。町長が直接各住民区へ出向いて意見交換したり、行政スタッフが住民と一緒に周辺を歩いて「まちなか改善」の事業を行なったりもしています。小規模な町だからのメリットといえますが、住民の声が届きやすいですね。暮らしやすく、住んでいただくのにはとても便利だと思います。

(Photo_14)長泉町 企画財政課 課長 浅倉充さん(右)
企画財政課 企画調整チーム副主幹 長澤圭祐さん(左)

※本ページは2021年8月時点の情報であり、
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