シャリエ阿倍野阪南町レジデンス

自然のぬくもりとモダンの感性、すみずみまで行き届いた大人のインテリア

阪南町がある阿倍野区は、時代の先端を行く先進性や利便性と、緑豊かな環境や居住性、ふたつの要素が交差する町です。そこで、デザインもその点を意識して"CROSSING~ふたつの要素が交差するときに生まれる魅力"をテーマにしています。

このシャリエ阿部野阪南町レジデンスでは、建物全体のデザイン監修を担当させていただきました。エントランスに続くラウンジは、長さ4メートル強のビッグテーブルや天井に届くブックシェルフを配してライブラリーのような雰囲気とし、目に美しいばかりでなく居心地の良いラウンジとして寛いでいただける空間としています。
モデルルームでは、空間にのびやかさを感じられるよう、できるだけ視線が遠くに届くように工夫しています。玄関から南側バルコニーへの見通し、また中央の座敷を通りぬける斜めの視線などです。また玄関脇のホビールームも入口部分を一部ガラス壁に変更し、広がり感がある空間としています。

リビング・ダイニングのインテリア仕様として、フローリングのウオールナット、建具のダークオーク、キッチン面材のチョークドオークと3種類の木色をコーディネートしています。そのことで木色の自然な濃淡差が生まれ、雑木林のように樹々が共鳴するような心地良い空間となっています。木色の自然味に加え、壁面クロスやキッチンカウンターなどにグレーや黒などモノクロームを取り入れることで、インテリアテイストにモダンな味付けをしています。カーテンやクッションなど、テキスタイルのブルーと座敷の床壁などに用いたゴールド色がシックな色調のインテリアに深みとニュアンスをもたらしています。また、バルコニーの床を木目調のシートにしたことで、ウッドデッキのようなくつろぎを感じていただけると思います。
キッチンとリビング、ダイニングはひと続きの空間ですので、心地よく過ごしていただけるよう、照明の光色は同じ質の光にこだわりました。オープンキッチンでは、ダウンライトが手元を明るく照らします。各部屋の照明も、調光によって生活シーンをコントロールできるように考慮しています。

そして、このモデルルームの最大の特徴はほぼ中央に配されているモダンな座敷です。
木箱が家の中に置かれたイメージで、この座敷は住居全体の床の間とも言うべき場です。
そこは季節を設えたり、来客をもてなしたり一人静かに趣味にひたる部屋にもなります。

またリビングサイド、ベッドルームサイドともガラスの吊り戸としていますので、その開閉の具合によってリビングに付属したりベッドルームに付属したりと多様な表情を見せます。このような余裕を感じさせる空間が住まいの居住性を高めています。

プロが教えるコーディネートの"裏ワザ"
世界的なインテリアトレンド「ゴールド」を取り入れる

モデルルームでは、座敷の床壁に金箔風の壁紙を用いています。谷崎純一郎の「陰影礼讃」にもありますように、金色は家屋の奥の薄暗い場所に在ってこそ際立つようです。 日本の伝統的な美意識の中には奥深い金への憧れがみられます。また近年では、インテリアのワールドトレンドにもゴールドの復活が見られます。たとえば日本でも根強い人気の北欧インテリア。白とナチュラルウッドとシルバーのスキームがイメージされますが、現地ではかねてよりコパー(銅)やブラス(真鍮)が実に上手く使われていて、空間に温かみと豊かな表情をもたらしています。昨今は日本でもインテリアショップなどにゴールド色のオーナメントが増えました。ほんの少しのゴールドが、部屋のイメージを変えてくれます。

株式会社 小野意匠計画
インテリアデザイナー
小野 由記子

京都生まれ。武蔵野美術大学卒。(株)乃村工藝社勤務、ロンドンアーキテクトオフィス研修を経て青山に小野意匠計画を設立。多摩美術大学、文化学園大学非常勤講師。家庭画報、エスクワイア等連載、執筆多数。