住宅購入に使えるおトクな制度

※掲載の情報は2017年2月現在のものです。

  • 固定金利型の住宅ローン「フラット35」は低金利が魅力ですが、さらにその「フラット35」の当初金利が引き下げられる制度があるのをご存知でしょうか。

    その制度とは「フラット35S」です。「フラット35S」とは「フラット35」をお申込みの方が「省エネルギー性」「耐震性」などに優れた住宅を取得される際に借入金利を一定期間引き下げる制度です。まずは「フラット35」の説明をご覧ください。

固定型で金利上昇のリスクがない「フラット35」

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている「フラット35」には、以下のような4つのメリットがあります。

メリット1 安心な長期固定金利
返済期間が最長35年の長期固定金利の住宅ローンです。ローンを借りる時点で、返済終了までの金利や返済額が確定するので、金利変動で返済額が増える心配がありません。

メリット2 一定基準を満たす住宅は金利を引き下げ
「フラット35」を利用する際には、住宅金融支援機構が定めた技術基準に基づく物件検査が行われます。また、耐震性や省エネルギー性など一定の基準を満たす住宅を購入する場合は、金利を一定期間引き下げる「フラット35S」を利用できます。

メリット3 保証料や繰り上げ返済手数料が0円
民間ローンでは必要となることが多い保証料が、「フラット35」ではかからず、保証人も必要ありません。また、返済中に繰り上げ返済や返済方法の変更を行う場合でも、手数料は不要です。

メリット4 返済中にサポートが受けられる
返済中に万一のことがあった場合に備えて、団体信用生命保険に加入できます。また、返済方法変更のメニューが多く、返済中の悩みや困りごとを金融機関に相談すれば、事情に応じた返済方法を提案してくれます。

なお、「フラット35」の金利は金融機関によって異なります。下記のグラフは各金融機関が扱う「フラット35」の中で、最も低い金利の推移です。データから分かるように、近年では金利の低下が進み、過去最低水準の借りやすい金利になっています。

「フラット35」よりも当初金利が引き下げられる「フラット35S」

この「フラット35」には、購入する住宅が「耐震性」「省エネ性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」のうちいずれか一つ以上の基準を満たすと、当初金利が0.3%引き下げられる「フラット35S」という制度があります。
さらに「フラット35S」には、金利引き下げ期間が当初5年間の「金利Bプラン」と、当初10年間の「金利Aプラン」があります。両タイプの違いは対象となる住宅の基準にあり、金利Aプランは金利Bプランよりハードルが高いのです。

■図表1.「フラット35S」の対象となる4つの住宅性能(以下のうちいずれか一つ以上の性能基準を満たすこと)
(A:金利Aプラン、B:金利Bプラン)

省エネルギー性 A:認定低炭素住宅、トップランナー基準適合住宅、一次エネルギー消費量等級5、性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)のいずれか
B:断熱等性能等級4、または一次エネルギー消費量等級4以上
耐震性 A:耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3
B:耐震等級(同上)2以上、または免震建築物
耐久性・可変性 A:長期優良住宅
B:劣化対策等級3、かつ維持管理対策等級2以上(共同住宅等については、一定の更新対策が必要)
バリアフリー性 A:高齢者等配慮対策等級4以上(共同住宅の専有部分は等級3でも可)
B:高齢者等配慮対策等級3以上

このところの金利低下傾向を受けて、「フラット35」の金利も下がっています。取り扱う金融機関の中でも最も低い最低金利は過去最低といえる水準を維持しており、2017年2月は1.10%になりました(融資率9割以下、返済期間21年以上35年以下の場合)。

「フラット35S」の金利Aプランなら170万円以上おトクになるケースも

  • 「フラット35S」が適用されるとどのくらい返済額が軽くなるのか。3000万円を35年返済で借りる場合で試算したものが図表2です。1.10%という金利も十分に低いので、「フラット35」でも毎月返済額は8万円台ですが、「フラット35S」であれば当初返済額がさらに4,000円以上軽くなります。35年間の総返済額では金利Bプランが45万円以上、金利Aプランなら85万円近い軽減です。

■図表2.「フラット35」と「フラット35S」の返済額の比較
(借入額3,000万円、35年元利均等返済、「フラット35」金利1.10%の場合)

種別 当初5年間 6~10年目 11年目以降 総返済額
年利 毎月返済額 年利 毎月返済額 年利 毎月返済額
「フラット35」 1.10% 8万6,091円 1.10% 8万6,091円 1.10% 8万6,091円 約3,616万円
「フラット35S」(金利Bプラン) 0.80% 8万1,918円 1.10% 5万5,514円 1.10% 8万5,514円 約3,570万円
「フラット35S」(金利Aプラン) 0.80% 8万1,918円 0.80% 8万1,918円 1.10% 8万4,931円 約3,531万円

※金利は2017年2月の最低金利(融資率9割以下)

なお、「フラット35S」は予算金額に達する見込みとなった場合は受付が終了します。

このように今は低金利で住宅ローンが借りやすい状態ですが、住宅が一定基準を満たせばさらに金利が引き下げられるケースもあります。おトクな制度を活用してぜひ希望のマイホームを実現させてください。

※掲載の情報は2017年2月現在のものです。
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※詳しくは税務署、関係省庁のホームページでご確認下さい。

住宅系シンクタンク「オイコス」代表
大森 広司

住宅ジャーナリスト。SUUMO、All About、日経DUALなど情報誌やネットで住宅関連全般にわたって取材・執筆活動を続けている。
著書に『はじめてのマイホーム 買うときマニュアル』(日本実業出版社)、『新築マンション買うなら今だ!』(すばる舎)などがある。